遂に登場チキンカレー
蕎麦会席の中の一品そばがきをカレー仕立てにした「アラハバード」に端を発した拓朗亭の「カレー劇場」は遂に多数の顧客からのリクエストに応えて「チキンカレー」としてメニュー化。
構想から実に4年、ここに「蕎麦屋」に在ってはならぬオキテ破りの逸品として具現化致しました。
「何故、蕎麦屋でカレーなのか?」
愚僧はその昔とあるホテルでコックとして10年近く働いておりました。そこでも「カレー」は造られておりましたし、非常に真面目に造られた「カレールー」は大変美味しかったと思います。
この時代に叩き込まれた味覚や調理法、調理理論は今の愚僧の元を形成した正に創世記とも言うべき時代であったわけです。しかしこの覚えた「カレー」は基本が「フランス料理」ですから「ヨーロッパ風」でした。
サラサラとして「ルー」の粘りに頼らない、スパイスだけから創り出されるキーマ系の感動するような「チキンカレー」に出会ったのは、つい10年ほど前ですから、極最近の事です。
「このカレーなら遊びが広がる」
と直感しました。最初に試みてみたかったのはやはり「そばがき」とのミスマッチ的なコラボでした。
目指したのは会席の中の一品として、パンチを持たせつつも後の料理に出しゃばらないでいて、食後2時間ほどでスパイスが鼻に抜けるような「カレー」でした。
その完成度が増すほどお客様から
「このカレーをご飯でチキンカレーにして食べたい」
とのご要望も増しました。中には会席のご予約時に、わざわざ
「チキンカレーも出してほしい」
と仰って下さるお客様が在るほどで、日本人にとってその食文化の中に占める「カレー」の存在価値を改めて知らされたような事です。
さてその頃、この「チキンカレー」はちょこちょこと「まかない」に登場し、スタッフさん達を喜ばせていました。正直、
「わざわざ『蕎麦』を食べに来ているのに『カレー』はないやろ」
それが本音でしょう。 しかし拓朗亭の本音はその辺りにはありません。
「儲かれば何でも良い」
それは、全くの見当違いです。
自分達が食べて「美味しかった物」や皆さんに是非食べて頂きたい物を造り提供させて頂きたいだけなのです。
例えば店で使用しています「鴨」はフランス産シャラン鴨です。フレンチの店でもごく少数の限られた店でしか使えない貴重で大変高価な「鴨」なのです。
或るフレンチのオーナーシェフから紹介を受け、蕎麦屋としては全国でもかなり早くから提供をさせて頂いているのは皆様の御承知の通りですが、当初はいろいろなところから
「蕎麦屋がシャラン等ととんでもない」
とかどうとか言われましたね。
でも少々値段が高くとも財布が許せるのなら是非食べてもらいたい…
そお言った気持ちが強いわけです。
ただ、今の場所に移転をさせた頃ヨーロッパ各地は「鳥インフルエンザ」が蔓延していて仕入れがストップしてしまい、国産で提供させて頂いたのですが、やはりダメでした。
ちなみに最近蕎麦屋やちょっとしたレストラン、「ビストロ」と言うのでしょうか、たまに「鴨はフランス産マグレ種使用」と書かれているのをみますが、「マグレ」はフォアグラを取った後のいわゆる廃鴨肉でわざわざ「こだわった」ような書き方をしなければならない物では無いと思いますが…
「蕎麦の実アイス」も近い物があります。
「何故、アイスを蕎麦屋が造るのか?」
はっきり書けば、提供しています「アイスクリーム」はホテル時代に造っていたアイスクリームをはるかに上回る味だと自負しています。
つまりこれらは、そこいらに無い「味」であると思うのです。
言われれば「天麩羅」もそれに近いかもしれません。
「カレーはそれらとは訳が違う、カレー専門店に任せればよい」
その通りだと思います。
でも、その専門店やカレーをメインの一つにされるレストランのシェフが
「蕎麦屋が造るカレーがどんなものか」
と、味見に来られれば面白いことが起こりそうな気がしませんか?
もう一言、付け加えるならば、イタ飯屋さんでパエリアを売っている街ですから、蕎麦屋に本格的なカレーが在っても何の不思議もないでしょう…
トラックバック
http://www.taroutei.com/MT/mt-tb.cgi/111


