Q:蕎麦湯は店によって違うのですか?
黒姫に在る「蕎麦 ふじおか」によって「ポタージュ系」と呼ばれるとろりとした濃い蕎麦湯が提供されて久しく成りますね。10年も前になりますでしょうか、拓朗亭も感銘を受け関西ではかなり早くに(と言うよりも当時、関西で気鋭の蕎麦店は「凡愚」「ろあん」「玄」ぐらいで今、メディアを賑わす蕎麦屋はかたちも無かったわけです)別にソバ粉を溶いてそれ用に造る手法を取り入れて来ました。
最近ではこのとろりとした「ポタージュ系」の蕎麦湯が主流と成っていますが、先述の様に本来は、麺(蕎麦)をゆがいた後の釜湯ですので期待されたモノと違ってもガッカリなさらないで下さい。
ただ、この釜湯は2時間もお客様が無かったりしますと完全に釜の中でムレてしまい『嫌な匂い』になります。当然、その湯で蕎麦をゆでるわけですから、「蕎麦」にも匂いが付きます。
以前、中休みの無い、銘店中の銘店と呼ばれる店に16時頃と日を変えて18時頃に伺った事が在りますが2度とも「蕎麦湯」は完全に腐っていましたね。半端な値段じゃやない店なんだから「釜湯」ぐらいは交換すれば良いのに・・・そんなのを平気で出していたら全てを疑ってしまいますね。
Q:蕎麦湯は店によっては出ないのですか?
普通、麺(蕎麦)をゆがいた後の釜湯を湯筒と呼ばれる入れ物に入れ「ざる蕎麦」を食べられた後に提供していた物です。つまり、「蕎麦湯」は「ざる・せいろ蕎麦」を食べた方の特権として存在していたのです。今でも関東や老舗の間では「ざる・せいろ蕎麦」以外の注文には基本的に「蕎麦湯」は出さない店は極普通に在りますし、それらを「蕎麦湯も出さないケチ臭い店」と評価するのは間違いだと思います。むしろ「おろし蕎麦」や「やまかけ」にまで「蕎麦湯」を出している我々が邪道だと言われても反論する余地は在りません。
ただ、経営者とか職人だとかのややこしい部分を除外して単純に「最後まで楽しんでもらえれば」との思いからしきたりや形式にとらわれずに「蕎麦湯」を出させて頂いております。
Q: 打ち粉とソバ粉は何がどう違うの?
確かにわかりにくいですよね。「打ち粉」と一言で言っても店やその地方によっては「花粉」とか「芯粉」とか呼ばれている場合もありますが、さほど差はありません。
ソバの実を軽く割った時に実の真ん中辺りからサラサラと落ちる極少量の白い粉。これが「打ち粉」になります。 でも、問題なのは値段を下げる為に「でんぷん」を加えた物も在るので、もし入手するのなら信頼の出来る知識を持った「蕎麦屋」からわけて貰えばいいですよ。
もし、手に入らない時はこの「でんぷん」を逆利用しましょう。
「ソバ粉」を「打ち粉」の変りに使う事を「とも粉打ち」と呼びます。でも「ソバ粉」どうしなのでくっ付いてしまいやすいので「片栗粉」を混ぜた物を「打ち粉」の変わりにすると良いでしょう。ただし、切り終わった後によくハタキ、要らない「打ち粉」を落としてからゆがいて下さい。
Q: 「手打ちのそば屋」って休みも多いし、休憩時間も多いのに結構儲かるんでしょう?
だから「そば屋」が開業したいと言う方が時々「教えてほしい」と言ってお見えになられます。まぁ「そば屋」に限った事ではないでしょうし、中には言われる様な『店』も確かに在るかも知れませんが、そんなには儲かりませんし、拓朗亭の場合、完全休養日は年に10日も在れば良い方です。店は定休日で休んでいますが、仕入や仕込みは常に待ってはくれませんから。休憩時間も然りです。まぁ、「楽そう」に見えるのでしたら御自分でおやり下さい。楽しくても決してラクではないですよ。
Q: 「新そば」はいつ頃からですか?
拓朗亭では1年を通じて同じ味に、しかもハイレベルな蕎麦を提供し続ける事を一番に考えております。ですから、「新蕎麦」等と言う「神話的」な「新蕎麦崇拝信仰」は拓朗亭には存在しません。とは言え、新ソバは仕入れる分けですが、これとても来年一年間分の数量だけを『必要』に応じて仕入れているに過ぎません。サイト内に『新蕎麦熟考』と題して出切る限り説明致しておりますのでヒマな時にお読み下さい。
Q: 何故、暑い夏の最中でも蕎麦の味が落ちないのですか?
確かに他店と比べれば真夏でも味に変化は有りません。むしろ、真夏の方が圧倒的に美味しい蕎麦を提供出来ていると思います。
これは、独自の発想で自家製粉に移項した1994年秋から2年間の研究の結果を元に亀岡の年間温度と湿度を考慮し、一番最適な方法を選び1年を通して味に変化が生じない様に管理した物を、毎日必要な分だけ石臼にて自家製粉しているからだと思います。
1年を通じて同じ味に、しかもハイレベルな蕎麦を提供し続ける事こそがこだわらなければならない唯一無二の使命だと考えます。
Q: 持ち帰りの生麺はどうして販売しないのですか?
多分、持ち帰りを販売させて頂いたら「笑いが止まらない程」儲かるかも知れませんネ。お金儲けに走る「そば屋」では御丁寧に『全国発送』まで扱っているところも在りますよネ。「イヨッ!! 商売上手っ!!」って掛け声を掛けてあげたい気持ちです…。でも、生粉打ちの「蕎麦切り」は家庭のガスコンロではほとんど上手くゆがく事は出来ません。「たっぷりのお湯で…」等と言いますが、そこへ生麺をド〜ンと放り込めば沸騰するまでにどれだけの時間が掛るのでしょう?家庭用のガスコンロ(最近はカロリーの大きい物も結構出回っていますが)で3Lの湯を沸騰させ100gの生麺をゆがくと(100ccの水を加えたのと同じ事です)再沸騰までに早くとも30秒以上が必要です。そこから本来の「ゆがき」が始まるのですから、麺は蒸らした様にしかなりません。店でも釜の中に入れてから細ければ12〜15秒、通常でも25〜30秒でゆがかないと味は劣化し風味は飛び、間の抜けた「そば」にしか成らないのですから家庭では無理な話ですよネ。
生粉打ちの蕎麦は店でゆがきたてを冷たくして食べる分には美味しいのですが、御家庭でゆがいたり、温かいダシにはるとやはり美味しくはありません。こちらの「お金儲け」に都合の良いようには行かないのが現状であり、蕎麦の都合だけを考えて今日まで来させて頂いたお陰様でそれなりの『信頼』を頂戴させて頂ける物と自負致しております。
Q: 何故温かい蕎麦は造らないのですか?
拓朗亭で提供させて頂いております「蕎麦切り」(麺)はソバ粉100%で打っております。これを「生粉打ち」と呼びますが、この生粉打ちの蕎麦は製麺すると組成が網目状に成ると考えてもらうと話がわかりやすいと思います。つまり、温かいダシを張るとこの網目に瞬時にしてダシが浸透する為にいわゆる「麺ノビ」状態が発生するわけです。
これを防ぐにはつなぎである小麦粉を2〜3割入れれば確かに少しは防げるのですが味や風味は完全に落ちてしまいます。端的に云えばこのつなぎを入れた「二八そば」は『駄そば』としか考えておりませんから造りませんし、販売する事は論外です。美味しい物をより美味しく提供させて頂いてこそ価値が在ると考えます。
Q: 拓朗亭は何と読むのですか?
正式には「たろうてい」と読んで頂いております。
亭主が熱狂的な吉田拓郎氏のファンで、そのままではおこがましいと云う何でも無い理由から「郎」を「朗」に又、人生「く(苦)」が無い方が良いだろうと云う事で「たろうてい」と成りました。
Q:開業は何時ですか?
1985年7月、「手打麺処 拓朗亭」として開業。当初は「蕎麦」だけでは生活が成り立たないと判断した為、「うどん」も製麺しておりました。
又、かなりの広範囲に「配達」もさせて頂いておりました。


